―― 曲の中の主人公は奥田さん自身ですよね。
『歌う理由』と『はばたいて鳥は消える』は曲によって一人称が「わたし」と「ぼく」に変わりますがその違いは 何でしょう。
奥田 『歌う理由』と『はばたいて鳥は消える』の曲間は一秒しかないし、『はばたいて鳥は消える』のテーマは 「歌う理由」なので、この二作品は二曲で一曲という感じなんですね。
そういう意味では『歌う理由』には女の「わたし」がいて、『はばたいて鳥は消える』には性別の関係のない人と しての「自分」がいるんです。それが「わたし」と「ぼく」の違いですね。

―― 『青空の果て』と『ブランコに揺れて』は思い出を歌っているように感じられますが。
奥田 柳さんの存在を知って手紙を書くまでの約三年半、私は歌うことを休んでいました。
『ブランコに揺れて』はその頃の揺らいだ気持ちを柳さんが感じとってくれて、この詞を書いてくれたのだと思っています。『青空の果て』はサビに「青空の果てまで手を離さないで いっしょに屋上にのぼってくれますか?」 というフレーズがあるんです。
オールナイトニッポンで柳さんも不安定な時に「奥田さんの手をぱっと掴んだ」と言っていました。『青空の果て 』はその歌詞の通り、私と柳さんが手と手をとり合った最初の瞬間を表現している作品だと思います。だから二人のスタートの曲が『青空の果て』で良かったです。Bメロの「私の居場所どこにもなかったから あなたに出逢うまでは」という所の「あなた」はもちろん人もそうだし、物にも例えられると思うんです。
私にとってはそれが歌だった。柳さんに出会って私はまた歌うことが出来た。
私にとって歌うことは生きることなんです。

―― 『ブランコに揺れて』は奥田さんが揺れていた時期を表した歌だと仰ってましたが、それに比べて『青空の 果て』はストレートな表現ですね。
奥田 そうですね。『青空の果て』は手をつかんだ瞬間で、『ブランコに揺れて』はどこに行きたいのかわからない、という感じですから表現は全然違いますね。

―― そう考えると『青空の果て』と『ブランコに揺れて』ははっきり分かれるのに対して『歌う理由/はばたい て鳥は消える』の方は二曲で一つのことを表現している感じですね。
奥田 二曲とも歌う理由がテーマになっていますからね。
『歌う理由』の方は東京に出てきてから経験した恋愛と、その喪失によって後から含まれた歌う理由。『はばたいて鳥は消える』の方は小さいときからの、自分の歌に対する思いである「私が私であるために」や歌うことを休んでいた時の私のことも含めた歌う理由です。
だから大きく分けると「恋愛」を歌ったものと「歌への思い」を歌ったものですけど、テーマは一緒です。

―― 『歌う理由』は急に曲調が変化しますよね。込めている気持ちも変わってきますか。
奥田 そうですね。最初は幸せだった頃の自分、でも今はその人を失って…っていうものですから当然気持ちは変 わります。

―― 最後は叫ぶ感じですけど、あれは怒りなんでしょうか。それとも悲しみなんでしょうか。
奥田 叫んで…泣いていますね。あれはインパクトありますよね。「ここで終わるの?!」っていう終わり方だから 、何度も聞きたくなるって方もいるみたいです。

―― 一番思い入れの強い曲はありますか。
奥田 柳さんの言葉で生まれ変わった自分の曲だから、それは全部あるんですけど「はばたいて鳥は消える」は歌 う理由がテーマなんだけど世界が広くて、そういう意味で「どう歌えばいいんだろうな」って一番悩んだ曲ですね 。それだけに思い入れの深い曲になりました。

―― 最後にこのサイトをご覧の方にメッセージをお願いします。
奥田 新曲が9月下旬に発売される予定です。皆さん楽しみにしてください。






 


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1: 出会い
2: 曲ができあがるまで
3: 歌の世界











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